黒岳石室の裏に位置する桂月岳。
標高は1938mありますが、石室からは標高差約50mの「小高い丘」です。
ちょっとした散策気分で登ることができるので、黒岳から足を伸ばして石室に立ち寄ったときや、黒岳野営場にテント泊したときにお出かけください。
ガイドタイムは登り15分、下り10分です。
ぜひ見たいご来光
桂月岳はご来光見たさに登る人が多い山です。
もしも石室に泊まることがあれば、夜明け前に登ってみてください。多色使いのパレットのような空が刻々と変化していきます。
桂月岳の山頂から見る圧巻の黒岳岩壁。この角度から見る黒岳は、荒々しく迫力に満ちています。
時には一面の雲海を見ることができます。
朝日が少しずつ高さを増すと、山肌が照らされて周囲の輪郭が浮かび上がってきます。
尖がった山頂は夏道がない烏帽子岳、その後ろのなだらかな尾根は小泉岳。右奥には遠くからもゴツゴツとした巨岩の積み重なりが分かる白雲岳。その手前の右上がりの尾根は北海岳です。
雲海が引くと、北鎮岳の千鳥の雪渓が姿を現しました。
黒岳から石室まで歩いてきた道筋が見えます。
大雪山に登って山の大さを語れ
桂月岳は、大正時代の随筆家「大町桂月」にちなんで名づけられました。
富士山に登って、山岳の高さを語れ。大雪山に登って、山岳の大(おおい)さを語れ。
大町桂月が黒岳沢から黒岳に登ったときの紀行文「層雲峡から大雪山へ」の冒頭の一節は、あまりにも有名です。
中央公論に発表されたこの紀行文により、大雪山の名は全国に知られるようになりました。
登山道が整備されていなかった時代に、困難を極めながら登った桂月は「大雪山は実に天上の神苑也」と表現しました。
黒岳をはじめとする名峰をめぐるルートから外れている桂月岳は、そんな絶景を心静かに眺めることができる隠れスポットです。
そして大雪山の夜明けを望むなら、ここ以上の場所はありません。
ぜひ散策気分で登ってみてください。
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