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モルテン【バルキーン】登山用にホイッスルを買いました

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モルテン バルキーン タイトル

 

登山用のホイッスルを新調しました。サッカー審判員用のホイッスル【モルテン】バルキーンです。

音が吸収される樹林帯や、水の音で会話さえまともにできない沢でも、非常にクリアに響きます。今まで使ってきたどのホイッスルよりも力強い音です。

 

 

ホイッスルの必要性と使い方

モルテン バルキーン

最初に、登山でなぜホイッスルが必要なのかご存じない方のために、筆者が北海道の山でどう使っているか例をあげてみます。

 

ヒグマ対策の三種の神器 

いちばん頻度が高い使用方法は、熊除け対策です。

ヒグマ対策の三種の神器と言われているのが、①クマよけスプレー、②クマよけ鈴、③ホイッスル。

クマよけスプレーは、予期せぬ遭遇時に自分を守るための最終兵器です。ほかの二つとは明らかに次元が違う対策グッズです。

クマよけ鈴は最低限持っておきたい装備です。しかしながら、常に音が鳴っているので、逆にヒグマの気配を感じられなくなってしまう、とも言われています。また、濃いガスが立ち込めているときや沢の近くでは、音が吸収されてしまい届きません。

その点、ホイッスルは意図的に音を出すことができます。そしてホイッスルの音は直進性があるので、狙った場所に届きやすい。

濃霧、沢筋、早夕のヒグマが移動する時間帯、他の登山者がいなくて薄気味悪いとき、道が屈曲して先が見通せないときなどに、ホイッスルを吹いています。

 

コミュニケーションと位置確認の手段

グループの列が長くなったとき、風の音で声が届かないときなどに、トップと最後尾のコミュニケーション手段として使います。

前後の間隔が開いた、靴の紐を結び直したい人がいる、休憩を取りたい。そんな時は、まずはホイッスルで注意を引いてグループを止め、コミュニケーションをとります。

メンバーの位置確認にも使います。

雪が降っていると数メートル間隔が離れただけで姿を見失います。スキーやスノーボードで滑降しているときは、移動速度が速いので、ほんの数十秒で仲間を見失います。

そんなときは遭難が頭をかすめる事態です。ホイッスルでお互いの位置を確認して合流します。自分も含め、これで命拾いした人は多いです。

 

緊急事態を知らせる手段

防災用品にもホイッスルが入っていますよね。建物の下敷きなるなどして助けを求めるとき、体力を消耗しないためにもホイッスルを吹きます。

山でも同じです。緊急事態の警告や応答、落石の警笛、滑落するなどして他の登山者に助けを求めるときに、自分の居場所を知らせる手段としてホイッスルを使います。

例えば、雪の上を落ちてくる石。音を発することなく静かに空を切って落ちてきます。落石に気づいたら、ホイッスルで他の登山者に伝えます。

登山道から滑落して崖下に落ちてしまったら、近くを通る登山者に気づいてもらうため、ホイッスルを鳴らします。

ホイッスルを持っていても、ザックの中にしまっていたら緊急時すぐ使えないので意味がないです。自分は常にコンパスと一緒に首から下げて持ち歩いています。

モルテン バルキーン

 

本州では遭難の合図と勘違いされるし、やかましい、とホイッスルを吹くことに否定的な意見もあるようです。登山者が多い山では、確かにそうかもしれません。

北海道でも紅葉時期の大雪山は渋滞が発生するほど混み合います。そんなシチュエーションでは、ホイッスルは控えたほうがいいでしょう。熊除け鈴も要らないですね。

ですが、安全と天秤にかける類ではありません。むやみやたらに吹かない、他の登山者がいるときは配慮する等、マナーを守ればよいと思います。

 

 

【モルテン】バルキーン

モルテン バルキーン

購入したのはバルキーン(VALKEEN)。広島県のスポーツ用具製造メーカー・モルテン社が2009年に発売開始したサッカー審判員用のホイッスルです。

 

 

2022年サッカーWカタール大会をテレビ観戦していたとき、スタジアムに響く音色にいたく感心して、どんなホイッスルなのか調べてみました。

バルキーンは、2010年に開催されたワールドカップ南アフリカ大会で、約10万人を収容するスタジアムで観客が大騒ぎする環境での使用を想定して開発されたのだそう。ブブゼラという民族楽器の爆音にも負けなかった、と話題になったそうです。

バルキーンは空気の吹き出し口が2か所あり、4.15kHzと3.67kHzの2つの周波数の音が重なって、4オクターブの音域をもちます。

その音色を視聴できるモルテンの公式ホームページがこちら。ちなみに、いろんなホイッスルの音を聴き比べることができます。

ABS樹脂製。サッカー審判員用ホイッスルの最高峰とあって、他のホイッスルに比べて高価です。

山仲間に話したところ、登山歴が浅い人からは「ホイッスルにそんなお金を使うなんて信じられない」と驚かれましたが、ベテランからは「ホイッスルのお陰で何度も命拾いしたことがある」と理解を示されました。

反応の違いは経験値の差でしょう。登山歴が長くなればなるほど、たくさんのヒヤリハットに遭遇しますから、お金で買える安全にはためらいが無くなります。

 

 

使ってみた感想

モルテン バルキーン

耳の鼓膜がブルブルするほど響く

バルキーンを吹くと、耳の鼓膜がブルブル激しく振動します。それほど響きます。吹いた自分が驚くほど響きます。

うっそうとした樹林帯で吹いても、木々の間を縫うように鋭く音が走る印象です。山頂で吹いたら、見事にこだましました。

パッケージに「スタジアムで最も音が通るホイッスル」と書いてありました。大歓声の中でも選手の耳に届くキレと太さが特徴だそう。

ちなみに、近くに人がいるときは要注意です。かなり驚かせてしまうので声をかけてから吹きましょう。

 

冬も使える

金属製のホイッスル、中にコルク製のボールが入ったホイッスルは、冬山で使うことができません。

金属なら唇が張り付いて取れなくなり、無理に剥がせば皮がむけて流血します。コルクは息の中にふくまれる水分でコルクが凍りつき、音が鳴らなくなります。

登山用に買うなら、プラスチック製で、中にコルクが入っていないものを選ぶ必要があります。

バルキーンはプラスチック製で冬季登山でも使えます。コルクボールも入っていませんので、手入れも簡単です。

 

軽い息で大きな音が出せる

軽い息で大きな音が出せます。

ホイッスルを吹くのは体力が要るんですよ。沢ではクマ除けとして常にホイッスルを吹く場所もあります。交代でやらないと体力が持たないほど消耗します。

ちょっとしたことでも、何万回も繰り返せば疲れは蓄積します。軽い息で大きな音が出せることは知らずに買いましたが、嬉しい誤算でした。

だからといってホイッスルに6000円も出せないよ、という方は、筆者がこれまで使っていた【モルテン】フォックス40をおすすめしたいと思います。

 

どの競技でも使えるオールランドタイプで、お手頃価格です。バルキーンとは音色は違いますが、高くて張りのある音ですし吹き心地も軽いですよ。

以上、買ってよかった登山装備【モルテン】バルキーンでした。

 

 

レクタングル(大)336×280




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