北海道の山事情

北海道の山の林道事情

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北海道 弟子屈 林道北海道の山は、登山口までのアプローチとなる林道が不安になるほど長く、整備状況は脆弱です。

普通乗用車では底を擦ってしまうほどわだちが深かったり、大雨で砂利が流されていることもしばしば。登山口までたどり着けず、登山を諦めることもあります。

いったん林道が通行止めになると、整備されるまで数年かかることもザラです。優先順位は生活道路が先ですから、致し方ありません。

北海道の山に登るうえで事前に知っておきたい林道事情をお伝えします。

 

 

1.基本は未舗装

北海道は広大であるがゆえに、林道は長く、整備状況はあまりよくありません。

登山口までは砂利道がほとんどです。舗装路でいける山は、旭岳や黒岳、恵庭岳、東大雪の山くらい。数えるほどしかありません。

キャンピングカーや大型バスで移動する場合は、転回場所が狭いため、行ける山が限られてしまうのが現状です。

慣れない砂利道の運転での事故もよくあります。スリップして路肩に転落したり、対向車と行違う際に路肩に寄りすぎて脱輪しているケースは、レンタカーによく見られる事故。

砂利道や凸凹道では、ハンドルがとられやすく、制動距離が長くなります。スピードの出しすぎ、急ハンドルや急ブレーキは絶対にやめましょう。

林道は定期的に整備されますが、ひどくなると砂利が泥に埋まってしまい、いわゆるマッド(泥)路面になっている個所もあります。

スタックしたときの為に、古い毛布やスコップを車に積んでおくとよいでしょう。脱輪した場合に備えて、牽引ロープも入れておきたいですね。

また、整備されて新しい砂利を敷いたばかりだと、石が尖っていてタイヤがパンクしやすくなります。溝がすり減ったタイヤならあっという間事前の点検を怠らないようにしましょう。

 

 

2.林道の情報はどこで聞く?

北海道 鹿追町 林道 通行止め

林道の状況を調べるときは、北海道森林管理局の森林管理署、地元役所などに直接問い合わせるのが確実です。

2016年の台風は、北海道に甚大な被害をもたらしました。

2017年3月の時点で、林道などの施設被害だけで、国有林2082か所(17億5400万円)、民有林422か所(14億500万円)と発表されています。

特に被害が大きかった十勝地方や日高地方では、登山口に至る林道が壊滅的な被害をこうむりました。

生活道路や経済活動に不可欠なところから徐々に復旧されています。登山客の利用が主な林道の優先順位は低く、復旧までは相当な時間がかかると思われます。

ここまで大きな被害でなくても、雨や風などで通行止めになることは頻繁にあります。刻一刻と状況が変わりますから、常に最新の情報を入手してから出かけるようにしましょう。

参考:北海道森林管理局「登山等に関する通行規制等について」

 

3.ゲートが施錠されていたら?

林道には、通行の安全性を確保したり不法投棄を防止するため、ゲートが設置されていることがあります。

北海道森林管理局によると、ゲートの開閉やカギの取り扱いについて3つのタイプがあります。

1.散策や登山など森林リクレーションのニーズの高い林道
通行の安全が確保される場合は、常時ゲートが開放されています。

2.通行の安全が確保されない場合や、事業実行により通行に支障がある場合は閉鎖
このタイプはカギを貸し出しません。

3.一般車両が多数走行するとすれ違いができない場合や、ゴミの不法投棄防止のために閉鎖
このタイプは、申請があれば錠前のカギの貸し出しやダイヤル錠のナンバーを教えてくれます。

登山口への林道がどのタイプなのか、森林管理局に電話して事前に調べる必要があります。場合によっては、申請してカギを貸してもらうようにしましょう。

ちなみに、トムラウシ山の俵真布コースは本州のツアー登山客に人気が高く、林道ゲートのカギは本数が限られていることから、ツアー会社と争奪戦になります。

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4.道路標識はほどんどありません

林道には、国道や道道などにあるような標識がありません。

あったとしても、注意深く見ていないと見落としてしまうくらいの小さな看板です。

トムラウシ山に向かう林道の分岐で方角を誤り、10キロ以上(時間にして30分以上)進んでしまったことがあります。

だんだん道が狭く荒れ果ててきて、明らかに最近車が走っていない状況でようやく道迷いに気が付きました。

今思うと、北海道に移住した当初は林道の下調べが甘すぎました。

北海道の山は、登山口へのアプローチが複雑なところがたくさんあります。林道も登山計画の一部と考えてください。

 

5.備えは万全に

林道では、脱輪やスリップによる転落、道迷いの他にも、予期せぬことが起こります。

日高山系に登って帰ろうとしたら、強風で倒れた木々に林道をふさがれたことがあります。

携帯電話は通じません。車に倒木対策の道具は無し。歩いて3時間ほどの民家に助けを求めに行くしかありませんでした。

まさに歩きだしたそのとき、ヒグマ対策でナタを持っていた登山者が偶然通りかかりました。日高山系は人気がほとんどありませんから、奇跡のようなタイミングです。

ただし、ナタで木を切り倒すのは容易ではなく、数人で交代しながらナタを振い、数時間かかりで脱出。翌日は腕が震えて使い物になりませんでした。それからというもの、車にはのこぎりを積んでいます。

北海道の林道は、想定外のアクシデントが起きる場所です。登山の準備だけでなく、車の整備や林道での”もしも”に備えた対策も万全にしておくことをおすすめします。

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