北海道の山事情

北海道の山のトイレ事情

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トムラウシ山 南沼キャンプ指定地 トイレブース

どこの山でもトイレ問題は深刻です。

排泄物やティッシュなどのゴミの放置、用を足そうとした人が付けた踏み跡が獣道のように広がって生態系に影響を与えていることなど、全国的にも大きな問題になっています。

北海道には本州のような山小屋はありませんから、山の上で設備の整ったトイレを期待することはできません。

ただし、環境問題などの意識の高まりを受けて、最近では携帯トイレブースが設置されているところが増えてきました

北海道の山ならではのトイレ事情についてお伝えします。

 

 

1.山の常設トイレ

本州の名だたる山には、大抵の要所に常設トイレがあります。

なかには富士山のように有料のところもあります。タンクに貯めてヘリで下ろしたり、人海戦術で下ろして処理するのですから、お金をとって当然でしょう。下界と同じ快適さを追求すれば、コストは高くつきます。

北海道でも、ごく一部ですが避難小屋や登山口にはバイオトイレが設置されています。バイオトイレは、おがくずと排泄物を混ぜて発酵させて処理する仕組みです。

謳い文句は匂いがしないそうですが、オーバーユースで処理が追いつかなかったり、落雷で動力が停止していたりで、排泄物が山になっていることが多々あります。

そんな感じですから、正直言って当てになりません。

 

2.持ち帰りが原則

アポイ岳 5合目避難小屋 簡易(テント型)トイレブース環境汚染に対する意識の高まりから、北海道の山にも携帯トイレブースの設置個所が増えてきました。

携帯トイレブースとは、木の壁やテントなどで目隠しされているスペースのこと。中には、携帯トイレを被せて使う専用の椅子(洋式トイレの便座状)が設置されています。

分かりやすく言うと、あるのは壁と便座だけ。自分が持参した携帯トイレをそこで広げて用を足します。

山に持ち込んだものは持ち帰るのが原則です。排泄物も例外ではありません。

山によっては登山口に携帯トイレ回収ボックスが設置されているので、そこに捨るか、自宅に持ち帰るのがマナーです。

自分の排泄物を持ち歩くのは、誰しも最初は躊躇してしまうものです。ですが、もともと自分の体の一部だったもの。責任を持って回収しましょう。

 

3.溶けるティッシュは山では溶けない

登山道の脇には、用を足すために多くの人が踏みつけた結果、獣道のようになった枝道がたくさんあります。

そしてその先には、大抵ティッシュのお花畑が広がっています。

山の上の気象条件は、下界よりはるかに厳しいもの。高山植物の生育がそうであるように、微生物も活発に働くことができません。

ティッシュを放置すれば、分解されず、長いあいだそこにとどまってお花畑のように無数の痕跡が残ってしまうのです。

水に溶けるポケットティッシュなら大丈夫だと思っている人がいます。これを使っていいのはバイオトイレのような場所。山ではいつまでも溶けません。

 

4.ひと踏み100年の罪

大雪山 エゾノツガザクラ森林限界を超えた稜線は、高山植物のお花畑に覆われています。用を足したくなったときに、都合よく身を隠す場所がないことはよくあること。

そんなときは、登山道を外れて脇に入っていくことにならざるを得ません。せめて健気にひっそりと咲くお花を踏みつけるのは避けましょう。

高山植物は、極端に短い夏のあいだ、何年も何十年もかけて少しずつ成長し、越冬を繰り返します。目の前にある姿になるまで、気が遠くなるほどの長い年月がかかっています。

踏みつけられてしまうと、回復するのに何年かかるか想像もつきません。いや、そもそも回復するのかどうかさえ分かりません。

お花の上を歩くことは、ひと踏み100年の罪だと考えています。

 

5.おすすめ携帯トイレ

北海道の山に持ち込む携帯トイレは、左のタイプがおすすめです。

登山 携帯トイレブース用 簡易トイレ

北海道の携帯トイレブースには便座が取り付けられています。

このタイプの携帯トイレは「袋状」なので、便座にかぶせて使うことができるのです。

便座に被せて使います

地面に直接広げることもできますから、携帯トイレブースがない場所でも使用できます。大きいので的が外れず、安心感が抜群です。

吸収剤も十二分

高密閉チャックのついた専用の袋に入れたら、臭いが漏れたり、中身がこぼれたりするようなことは、よほどのことがない限りありません。

もちろん、ザックの中で先の尖ったものが刺さったり、衝撃が加わればその限りではありません。

万が一のことを考えて、わたしはいつもザックの外にくくりつけて持ち運ぶようにしています。

北海道の山では必需品ですよ。

地面に直接おいて用を足す形状の一般用の携帯トイレは、便座に腰掛けるようにして使う北海道の山のトイレブースには不向きです。

一般用の携帯トイレは小さくて不安定、トイレブースには使えません

子どもに使わせようとしたところ、小さくて的が外れそうになりました。草地や傾斜地に設置すると、安定してくれません。

ホームセンターやカー用品店で売っている防災用途のものや、登山用途でもこういう形状のものがありますので注意してください。

 

■北海道の山のトイレ(トイレブース含む)の状況や位置などの情報が、「山のトイレを考える会」ホームページに詳しく掲載されています。スマホサイトもありますので、ぜひご覧ください。

山のトイレを考える会ホームページ

 

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