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グループ登山でバテないための3つのポイント

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登山 グループ

グループで登るのは苦手だという声をよく聞きます。特に初心者は、自分のペースで登ることができず、バテてしまう人が多いようです。

夫婦や友人など気心の知れた少人数の仲間で登るのとは違い、まとまった人数では各々が自由気ままに行動することはできません。

そんなときはどう行動すればいいか。

組織に所属しない登山者が圧倒的に多くなり、昔のように指導的立場の人からアドバイスを受ける機会もなくなってきました。

ここでは、かつては先輩登山者から教わった、グループ登山で経験の浅い人がバテないためのポイントをご紹介します。ぜひ、大勢で登る愉しみも味わってください。

 

 

1.ペースはいちばん弱い人に合わせる

登山 グループ ペース

人数が多くなればなるほど、体力差がバラついたり、体調が万全でない人も含まれてくるのは当然のこと。

優れたリーダーのいるグループは、それを大前提としてペース配分や人の配置をしていくものです。

いちばん体力のない人、経験が少ない人、その日の調子が今一つあがらない人にペースを合わせます。

自分のペースより速くても遅くても疲れるもの。遅い人が速い人に合わせることはできませんから、いちばん遅い人に体力がある人や経験が豊富な人が合わせて歩くしかありません。

 

歩く順番も大切です。

先頭はサブリーダー、 2番目にグループ内でいちばん体力のない人や体調が今ひとつの人を配置、中間には中堅どころ、最後尾にリーダーが歩くのが基本です。

登山 歩く順番

先頭を歩くサブリーダーは、背後の人の息遣いや脚運びを感じながらペースを作っていきます。

親しい間柄でもない限り、弱音は言いにくいものです。表情から察するなどして、辛そうだと感じたら、ペースを落としたり休憩をはさみます。

ただしこれらはあくまでも基本です。山行の目的でも並び順は変わります。サークルなどで独自のルールがあるところでは、それに従うのがよいでしょう。

いずれにしても、自分は経験が浅い、今日は調子が悪いといったことを自ら意思表示して仲間に知ってもらうことです。

ただ何となく集まった集団では、リーダーやサブリーダーという役割がきちんと決められておらず、連れだって歩いているだけということもあるでしょう。

他者への気遣いや配慮ができていれば基本的に問題ないと思いますが、ひとたび事故やトラブルなどの問題が生じると責任のなすり合いになるので注意が必要です。

ペースが速いとか休憩したいといった要望をネガティブにとらえ、言いずらい雰囲気のグループもあります。ついてこいとばかりに健脚ぶりをアピールするのも悪い見本です。

事故やケガにつながりますから、そういう人たちとは一緒に登らないことをおすすめします。

 

2.グループがバラバラになるのは避ける

登山 グループ 離れない

グループ登山では、バラバラになるのは避けて一団になって歩くのが基本です。

バラバラになって取り残される人が出てしまっては危険だからです。特に経験が浅い人や初心者が引き離されると、心理的に焦りが生じて身体的にも無理をしてしまいがち。

追い込まれたときは、平常心を失い、道迷いや転倒してケガをしたりといった事故や遭難につながるリスクが格段に高くなります。

万が一自分が遅れをとってしまっても、決して焦らないことです。声が届く距離なら大声で、それが無理なら合流したときにリーダーやサブリーダーにペースが速すぎることを告げましょう。

最後尾になってしまい完全に置いていかれたら、そのグループの安全意識や危機管理が垣間見えたと考えて、今後のお付き合いを見直すことです。どんな山に登るかも重要ですが、どんな人と登り、何を学ぶかも大切ですから。

どんなに気を配っていても、人数が多ければ多いほどペースは乱れるものです。あまりにも参加者のペースが違いすぎるときは、現場でグループを分割することも稀にあります。

このままのペースでは頂上に立つことができないと判断して、頂上へ行くグループと途中で折り返すグループに分ける場合。調子が悪くて下山を希望している人がいる場合などが考えられるでしょう。

グループを分割するときは、最少人数は3人といわれています。

けが人が出るなどしたとき、単独なら誰かに発見されるまで為す術がありません。2人なら、けが人を独り置いて助けを求めにいくことになります。3人なら1人が付き添い、1人が救助を求めることができというわけです。

ただし、これらの判断をするのはリーダーです。自然発生的にグループが散り散りバラバラになるようなことはあってはいけません。

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3.体調が悪いときは早めに報告する

グループ登山 休憩グループ登山では、迷惑をかけないように早めに体調の異変を報告するのが基本です。暑いので服を脱ぎたい、靴の紐を調整したい、休憩したいといったことも仲間と共有します。

「大丈夫ですか?」と聞くと「大丈夫です」と答えるのが日本人です。「実は調子が悪い」と本音が返ってくるとしたら、相当切羽詰まっているかもしれません。

体力がない人ほど、少々具合が悪くても無理をする傾向がありますね。迷惑をかけたくない気持ちは分かりますが、山では逆効果だということを覚えておいてください。

女性はトイレに行きたいのを言い出せずに我慢する人が非常に多く、トイレに行きたくないから水分を控えるという人もいます。

実はこれほど危険なことはありません。山で脱水を起こすと、疲労を促進し、熱中症を引き起こしやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞なども起こしやすくなるのです。

トイレで待たせるより多大な迷惑をかけるだけでなく、命の危険さえあるのです。

男性の「大丈夫」も信用できません。

以前、訓練の一環として登山をしていた自衛隊の一団とすれ違ったときのことです。汗をかきすぎてバテ気味の男性隊員がいたのが気になりました。

たまたま隊にいた知人に後日聞いたところ、そのあと熱中症の症状である熱けいれんを起こして歩けなくなり、時間をかけてみんなで担ぎ下ろしたそうです。

やはり、周囲が心配しても「大丈夫です」を繰り返し、動けなくなってようやく音を上げたとのこと。我慢強いのも考えものです。

ギリギリまで我慢してどうにもならなくなったら、かえって迷惑をかけてしまいます。最悪の事態を避けるために、リスクは小さいうちに摘んでおくのです。

 

4.疲れたことを言いやすい雰囲気を作る

登山 グループ 休憩

グループのメンバーは、バテた人が言いやすい雰囲気を作ることが大切です。

休憩して体調の回復を図ることを第一優先とし、その後の行程を検討しましょう。荷物を皆で分担して軽くするだけでもずいぶん違うはずです。空身で歩いてもらってもいいでしょう。

状況によっては全員ですぐに下山することも考えられますし、グループを分割して下山組と頂上組に分かれることもあるかもしれません。

そのことで予定が変更してしまっても、文句を言わないのが山仲間です。自分もいつかお世話になるかもしれません。お互いさまですから。

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