テント泊 計画

テント泊登山の「場所とルート選び」の基本と「おすすめキャンプ指定地」

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黒岳石室キャンプ指定地

日帰り登山に比べると、テント泊の荷物は重くて、歩くペースもノロノロ。疲れも比ではありません。

少しでも負担を減らして快適に登るために意識したい、テント泊登山の「場所とルート選びの基本」と、テント泊初心者にぜひともおすすめしたい「北海道大雪山系のキャンプ指定地」を紹介します。

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テント泊の場所選び「3つの基本」

まずは、テント泊をする場所はどう選ぶといいのか、押さえておきたい基本を3つ紹介します。

 

キャンプ指定地であること

危険な場所がある、貴重な高山植物や地質があるなど、様々な理由によってテントを張ることができる場所は決められています。

それが「キャンプ指定地」と呼ばれる場所。

体調不良や天候の悪化などによりビバークするなど、緊急時を除き、テント泊はキャンプ指定地で行います。

テント場が混雑しているからといって、登山道にはみ出してテントを張るのも禁止です。

もしも空きがなくてテントが張れないなら、次のテント場に移動するか、山小屋に宿泊するしかありません。

 

水場がある(場所と季節)

キャンプ指定地、もしくは道中に水場があることは、テント泊をする上で不可欠です。

加えて、時期も重要です。

北海道では、雪渓の雪解け水を水場として利用することが多くなります。

真夏になると、キャンプ指定地の近くの雪渓が溶けてしまい、30分~1時間離れた雪渓や沼、川まで水を汲みに行くことも。

登ってテントを設営した後も、一仕事できるだけの体力を残しておかないといけません。

水場が全く無いということになれば、必要な水を下から担いで登るか、山行を諦める必要も出てきます。

水場の有無と水涸れの確認は必須です。

 

近くに山小屋がある

テント泊に慣れていないうちは、山小屋の近くにテント泊するのがおすすめです。

山小屋があれば、足りない食料などを調達することができますし、天候や登山道の情報を入手したり、なにかあれば相談することもできます。

暴風雨でテントが崩壊しそうになれば、逃げ込むことも可。

北海道に限って言うと、本州のような食事や寝る場所を提供する営業小屋はなく、あるのは無人の避難小屋です。

それでも、何かあった時の砦になるのですから、小屋(建物)があるだけで心強いものです。

 

 

キャンプ場へのルート選びの基本

白雲岳避難小屋への赤岳緑岳ルート比較地図

キャンプ指定地へのルートがいくつかある場合は、もっとも快適に歩くことができるコースを選びます。

【北海道】大雪山系「白雲岳避難小屋キャンプ場」を例にとって、快適なコースの選び方を説明します。

 

累積標高差が少ないルートを選ぶ

山の厳しさをはかる指標には主に「標高」が用いられますが、高い山でも8合目まで車で行くことができる場所もあり、単純に数字だけを取り出して判断することはできません。

そこで取り入れたいのが累積標高差。山で登り下りするときの「登り」だけを足した値のことを言います。

累積標高差は、ルートの厳しさを数値化できるので、どのコースを登るかを選ぶときに、コースタイムや難易度の参考に取り入れることができるのです。

例えば、標高1,000mの山を標高0mから登りはじめるルートをAとします。

500m登って300m下り、さらに600m登って200m下り、400m登って頂上に着いたら、ルートAの累積標高差は1,500m【500+600+400=1,500】です。※下った分は計算にいれません

同じ山の別ルートBは、Aと距離が同じだと仮定します。

標高1,000mの山を海抜0mから一度も下ることなく直登します。ルートBの累積標高差は1,000m。

同じところを目指すにしても、累積標高差が少ないルートBのほうが、体への負担が減らせることになります。

【北海道大雪山系】白雲岳避難小屋キャンプ場へは、代表的なルートに「赤岳から登る」「緑岳から登る」の2つがあります。

累積標高差と距離を比べてみます。

  • 赤岳ルートは、累積標高差が約680m、距離は約6.8km
  • 緑岳ルートは、累積標高差が約850m、距離は約4.6km

累積標高差が少ないのは、赤岳ルートですね。

参考までに、コースの断面図を見てみましょう。

 

白雲岳避難小屋までのルート断面

赤岳ルートは、距離が長いものの全体的になだらかな登り。

緑岳ルートは距離が短いものの、全体的に傾斜が厳しく、避難小屋手前では登り返しがあります。

テント泊登山者には、赤岳ルートが圧倒的に人気です。

両方のルートを経験したわたしも、緑岳山頂までの登りは辛かった記憶があり、これから行くとしたら、間違いなく赤岳ルートを選びます。

このように、重装備で登るなら、多少距離が長くても、登りが緩やかでアップダウンが少ないほうが快適なのです。

 

エスケープルートがある

体調不良や天候悪化などにより、予定を変更して下山する可能性に備えて、エスケープルートが取りやすいコースを選びます。

エスケープ(避難)には、「途中から引き返す」「別ルートで下山」「近くの山小屋に避難」など、いくつかの方法が考えられます。

白雲岳避難小屋に隣接するキャンプ指定地であれば、何かあったら真っ先に小屋に避難するのが懸命でしょう。

天候回復を待つだけなら、小屋で停滞すればOK。

自力で下山するなら、緑岳から下りるのが最短です。

ただし、緑岳の山頂直下はガレ場で急な斜面が続いており、足元が不安定になるので、疲れていたり、足にケガをしている場合には、慎重になる必要があります。

エスケープルートは、距離が短くて早く下山できればいいというわけではなく、難所やきつい傾斜がないなど、緊急時に安全に下山できるかどうかが重要な選定ポイントになります。

テント泊山行になれないうちは、いくつもの選択肢があるルートを選ぶと安心です。

 

キャンプ場に到着する時間でルートを選ぶ

ガイドブックにある標準ガイドタイムは、日帰り装備で休憩なしを基本にしています。

テント泊登山では、重たい装備を背負っていますから、いつもより歩みが遅く、休憩も頻繁にとることになります。

テント泊装備で登るときは、標準ガイドタイムの2の時間をみておきましょう。

そこから到着時間を逆算して、無理な行程にならないように、登山口を出発する時間を決めます。

 キャンプ指定地へは、遅くとも午後2までには到着していたいものです。

というのも、テントを張る場所は、時間が遅くなればなるほど条件が悪くなります。

また、山の天気は午後から崩れることが多いため、できるだけ天候が安定している時間帯にテント設営するために、早めの到着をおすすめします。

高山植物の見頃の時期や、連休、お盆などの最盛期には、遅くなるとテントを張るスペースが無くなることもあります。

到着時間もルート選びの重要な要素として意識するようにしましょう。

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テント泊登山初心者におすすめしたい北海道のキャンプ指定地

北海道でおすすめのキャンプ指定地は、大雪山系の黒岳石室と白雲岳避難小屋キャンプ場の2つです。

2つのキャンプ指定地に共通するメリットがこちら。

  • すぐそばに避難小屋があり、万が一のときは駆け込める
  • 避難小屋が有人
  • 水場がある
  • ここをベースキャンプにして、周辺の山に登ることができる

特筆すべきは、夏山シーズンの一定期間は、キャンプ指定地に隣接する避難小屋が有人になるということ。

北海道では有人の小屋は非常に珍しく、テント泊初心者はもちろん、北海道の山や気候に不慣れな道外からの登山者にとって、これほど安心できるキャンプ指定地はありません。

子どもを連れてのテント泊登山にもおすすめです。

こちらにキャンプ指定地の詳細をレポートしていますので、ぜひご覧ください。

北海道の山を訪れる予定がない人も、キャンプ場を選ぶ際の参考になると思います。

 

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まとめ

登山は自分の実力に合った山に登ることが重要ですが、テント泊にも初級コースや上級コースがあり、その人のレベルに合った場所やルートを選ぶことが大切です。

ここでは「テント泊登山が初めて」の人に向けて、少しでも負担を減らして、快適に登るために意識したいことを中心に紹介しました。

テント泊するキャンプ地と、そこに至るルートを決めるときの参考にしてみてください。

無理せず簡単なルートからはじめて、慣れてきたら、徐々に難しいレベルに挑戦してみてください!

 

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