テント泊 コラム

【はじめてのテント泊登山】今年こそ挑戦したいテント泊の魅力

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高根ヶ原 縦走

「テント泊の良さってなんですか?」という登山初心者のみなさんに、ぜひ知っていただきたい!

テント泊の醍醐味は、山小屋がない山域にも行けるので、登れるエリアが格段に広がること。経験したことが災害時に役立つこと。この2つに集約されます。

登山初心者.comが思う、テント泊の魅力をお伝えします。

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テント泊で登れる山域が広がる

宿泊を伴う山行では、主に山小屋に泊る方法と、テント泊の2つがあります。

本州では、有名な山域のほとんどに宿泊や食事ができる山小屋があるので、あえてテント泊するのはぜいたくなことかもしれません。

にもかかわらず、最近ではテント泊が主流です。

山小屋より、時間や空間の自由度が高く、プライバシーが保てるテント泊の方が、最近の登山者には人気なのです。

対して、わたしの住む北海道には、営業小屋はほとんどなく、山小屋といえば避難小屋です。

本州のように山小屋を泊り歩いて縦走するスタイルは不可能でして、山中に泊るということは、荷物を一式担いでテント泊することを意味します。

テント泊の最大のメリットは、登れる山域が広がることです。

 

山小屋がない山域でも縦走ができる

大雪山グレードマップ

出典:「大雪山グレードマップ」大雪山国立公園連絡協議会

縦走がいい例です。

一度山頂に立った後、下山せずそのまま稜線伝いに次の山へ向かうことができるのですから。

テント泊しなければ、一日でピストンできる範囲内しか行けません。

北海道でもっとも人気のある縦走ルートは、大雪山系の旭岳から入ってトムラウシ山に下山するコース。

シーズンともなれば、本州からのツアー登山客が大勢押し寄せます。

このコースを行くなら、1泊目に白雲岳避難小屋・キャンプ指定地、2泊目にヒサゴ沼避難小屋・キャンプ指定地を利用する、2泊3日が最短です。

同じルートをピストンしながら埋めることができるか、考えてみましたが、忠別岳~ヒサゴ沼の間は日帰り登山はどうしたって無理です。

景色も見ずひたすら走り続けるとか、夜通し歩き続けるとか、もう日帰り登山とは言えない、別なスポーツとか苦行になってしまいます。

山域を奥深くまで数日間かけて歩くロングコースは、テント泊するからこそ可能になるのです。

 

日帰りで登れない山もテント泊なら登れる

自分の実力では日帰りできない山でも、途中でテント泊することで登ることが可能になる場合もあります。

日本百名山「トムラウシ山」を例にしてみます。

標高は2,141mとさほど高くありませんが、とにかくアプローチが長い。一番短いルート(短縮登山口)でも、山頂まで約9.5kmあります。

登り6時間、下り5時間が一般的なガイドタイムですが、斜度がさほどキツくないため、登りに6時間かかった人は下りにも6時間かかると考えて差し支えありません。

登っている途中で「山頂まで6時間以上かかりそうだ」と判断したら、登頂を諦めて引き返すことを強くおすすめしています。

というのも、そのタイムから、山頂まで行けたとしても、帰りの体力や脚力が残っていないと判断できるからです。

登山をはじめたばかりで体力や脚力が十分ではない人、年齢が高い人には、ちょっと難しい上級コースの山ですね。

ところが、これが山頂近くの南沼キャンプ場で1泊するとなると話は変わります。

知人の山岳ガイドは、80代の登山者をトムラウシ山に案内したことがあります。

往路で体力を使いきってしまい電池切れ。登頂後にテントを張って1泊してから下山しました。そうなることは想定内でしたから、テント泊の装備一式はガイドが担いでいます。

地元のトムラウシ小学校では、毎年トムラウシ山登山の行事があります。

保護者や協力者がテントや食料などを荷揚げして、南沼キャンプ場で1泊します。小学生だって、テント泊すれば登れるのです。

サポート体制は必要になりますが、テント泊すれば、登れる山の難易度が上がります。

これがテント泊の醍醐味のひとつなのです。

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災害時に役立つ経験ができる

忠別岳避難小屋キャンプ場 ソロテント

テント泊では、便利なものに囲まれた日常を離れ、限られたモノを使って工夫して生活する経験ができます。

困ることだらけの経験を積む

山の上で限られたものだけで生活する経験は、困ることだらけです。

あるとき、明らかにテント泊登山は初めてと思われる小学生の子どもを連れた家族と、テント場で隣り合わせになりました。

夕食時、「俺ってサイテー!」というお父さんの叫びが聞こえてきました。どうやら、カップラーメンを作って食べようとして、箸を忘れてきたことに気づいたようです。

わたしなら、そこらへんに転がっている折れた枝を箸にします。聞こえてくる会話から察するに、冷めてから手で食べたに違いありません。それもひとつの方法ですが…。

さらにその夜、テント場は凄まじい暴風雨に襲われて、テント場に張られた多くのテントがズタズタになってしまいました。

その家族が張ったのは、一般キャンプ用のテントでしたから、ポールが折れて原型をとどめていません。

ところが、疲れ切った親とは対照的に、子どもたちは破れたテントから顔を出して遊び、悲惨な状況を楽しんでいるのですからたくましいものです。

彼らにとっては、なかなか経験できない、おもしろい夜だったに違いありません。

下界にいては想像できない過酷な環境に置かれる体験や、ヒヤリとした体験、うまくいかなかった体験は、街中の安全地帯にいてはなかなか味わうことはできません。

山での生活で積み重ねた経験は人をタフにします。ちょっとしたハプニングなら、どんと構えていられる。そんな経験は、生きるのびる力となって、かならず災害時に活きてきます。

 

災害時に活きるグッズとノウハウ

テントや寝袋などのグッズやノウハウも、災害時には活きてきます。

雨水がテント内に入ってこないようにするには、テントの外側に溝を掘って水が流れる道筋を作ってあげるといい。

もしも寒い季節に電気やガスなどのライフラインが止まってしまったら、家の中にテントを張って寒さをしのぐこともできる。

大きなビニール袋に頭と腕を通す穴を開けてかぶれば、それだけでもずいぶん暖かい。

水を汲むなら、よどんだところより、流れのあるところから汲むほうがキレイな水が汲める。

日本は自然災害の多い国です。

テント泊のグッズやノウハウは、災害時には生きのびるためのツールと知恵になります。

たまに非日常を味わう贅沢品にとどめておくのは、もったいないと思います。

 

今年こそ挑戦したいテント泊

黒岳石室 テントの灯り

テント泊をはじめるにあたっては、装備をそろえるためにけっこうな初期投資が必要です。

いざ行くとなると、準備や後片付けも何かと大変。荷物を担ぎあげる体力も必要です。

でも、それら諸々を加味しても、テント泊には小屋泊にはない魅力が詰まっています。

ここには書きませんでしたが、満天の星空を他人に気兼ねなく観察できるのもテント泊ならでは。

早朝や日暮れの景色や雲海も幻想的ですし、山を存分に味わったという達成感や爽快感も味わえます。

登山をはじめたら、いちどはテント泊を経験しないともったいない。思い切って挑戦することをおすすめします。

 

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