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【コラム】究極のおすすめ登山アイテムはヘルメット! 選び方と注意点

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ロッククライミング

山岳事故は、いかにも危険な場所より、低山のごく普通の登山道で起きています。

頭部へのダメージは致命傷になるため、ヘルメットをかぶっていたかどうかが生死を分けることも。

ヘルメットの選び方や注意点、オススメについても紹介していきます。

 

頭部を保護する意識が低い日本人

30年ほど前に北米を旅したとき、自転車に乗る子どもたちがカラフルでかわいらしいヘルメットをかぶっているのを見て驚いたことがあります。聞けば、着用を義務付けられているとか。

そのころの日本は、日常の風景の中でヘルメットをかぶっているのは工事現場で働く人くらい。可愛い子ども用のヘルメットなど見たこともありません。国によってずいぶんと違うものだと思った記憶があります。

人にとって最も重要な「脳」を含む頭部の保護に対して、日本は意識が低い国だとずっと言われてきました。

最近になって、ようやくスキーやスノーボードの世界で見かけるようになってきたものの、そのほとんどは選手かスクールに通う子どもです。大人はまだまだ。

普及しつつあるウィンタースポーツ界でさえ、ヘルメット着用率は欧米で60%なのに対して、日本はたったの5%なんだそうです。

 

登山は危険が伴うことをうっかり忘れがち

登山 ヘルメット

 

2014年の御嶽山噴火以来、登山の世界でも、安全意識の高まりとともにヘルメットをかぶる人がチラホラ出現してきました。

それでも、一般の登山者が1000~3000メートル級の山でヘルメットをかぶるのは少数派。沢登りをするときや、活火山を歩くとき、冬山で山岳スキーをするときなどに限られている印象です。

それじゃあ、そういった危険度や難易度が高い山行で事故が多いかというと、そうでもない。

これまで周囲で起きた重大事故を振り返ると、ほとんどが「こんなところで?」と驚くほど、何もない、ごく普通の登山道上で起きています。

石につまずいた。ふらついた。滑った。いずれの場合も、それをきっかけに転倒したり滑落して、石に頭を打ったことが致命傷になっています。

忘れがちですが、どんな低山でも転倒や滑落、転落のリスクが常に付きまとっています。だから専用の山岳保険にも加入するんです。

登山自体が危険を伴うスポーツであることを忘れず、ザックや登山靴と同様、ヘルメットも基本装備として考えるべきだと思います。

 

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頭さえ守ればなんとかなる

登山 ヘルメット

炭鉱で定年まで働いた知人は「頭さえ守ればなんとなる」と言います。危険を伴う仕事を長年してきた人の言葉は重いですね。

登山用ヘルメットは、強度を保ちつつもベンチレーション(通気孔)がしっかり考慮されています。真夏にかぶっても風通しの良さを感じることができますし、何より軽いのが嬉しいポイント。

見かけと暑さや蒸れを我慢すれば、工事用のヘルメットでも代用できます。頭さえ守ればなんとかなるんですから、工事用でもいいじゃないですか。

日常生活でつまずいても「おっとっと」で済みますが、山では転倒や転落、滑落につながります。

そのときにヘルメットが頭部を保護していれば、深刻なケガにならずに済むことも、生死を分けることもあるんです。

ヘルメット着用が一般的ではなかった頃、沢の渡渉時に流された2名が死亡した事故が身近でありました。検視の結果、二人とも水を飲んでいませんでした。流された直後に岩に頭をぶつけて命を落としているのです。

他にも、ヘルメットを着用していればケガの程度が軽減されたか、亡くならずに済んだたかもしれない事例が本当に起きています。

あの時かぶっていれば・・・そう考えると残念でなりません。

 

かぶっているだけで命拾い

登山ヘルメット周囲も含めて次々と事故が起きたことから、わたしも山で常にヘルメットを着用するようになりました。わずか数年ですが、すでにヘルメットの恩恵を受けています。

登山道を歩いていて、枝に頭をぶつけることはありませんか? わたしはしょっちゅうありまして、以前はあまりの苦痛に呪いの言葉を吐きながら悶絶してました。

ヘルメットをかぶっていれば無敵です。気持ちの上でも解放された感じがしています。

さらに、着用歴数年にもかかわらず、命拾いしたことがすでにあります。

クライミングでロープを操作していた時、上を見ながら一歩後ずさったところで石につまずいてしまいました。

背中から倒れ込むと、後頭部に大きな岩がゴツン。

ヘルメットが吸収して事なきを得ましたが、着用していなければ命を落としていたかもしれません。ヘルメットについた凹みを見ると愛おしくなります。

それからというもの、車とシートベルトの関係のように、ヘルメットと登山はセット。無くてはならない存在になりました。

なんせかぶっているだけで生死を分けるんです。そんな恩恵を与えてくれる登山用品は他にありません。ヘルメットは究極のおすすめ登山アイテムと言ってもいいでしょう。

 

ヘルメットの選び方と注意点

登山 ヘルメット

①形状

ヘルメットには穴がたくさん開いた通気性の高いものから、シンプルなタイプまで様々あります。

通常の登山道を歩く「尾根歩き」がメインなら、防災ヘルメットに近いシンプルなタイプがオススメです。

いろんな用途や場面で用いることができるので、これひとつで事足ります。

 

②フィット感

ヘルメット選びで何よりも重視したいのがフィット感です。

海外の製品の中には、サイドが狭くて前後に長い流線形タイプなど、日本人の頭には合わないものがあります。

当たるところがあれば痛くなりますし、フィットせずに浮いているならいざというときの安全に関わってきます。

ですが、実際には近くに取扱っている店がなくて、やむなくネット通販を利用する人も多いでしょう。

実際にかぶってフィット感を確認することができない場合は、商品を買った人の「レビュー」を参考にしましょう。使用感や不具合などは要チェックです。

 

②軽さ

重さの感じ方は、持ち運ぶときの状態やかぶっているときのフィット感で変化します。

ザックにぶら下げてブラブラさせれば重く感じますし、きちんと固定すればザックと一体になるので、400グラムにも満たないヘルメットの重さなど感じません。

同じように、かぶっているときにズレてくるようなヘルメットは重く感じますし、体が無意識に修正するので疲れます。自分の頭にしっかりフィットしていれば、さほど重さは感じません。

登山専門店で売っているヘルメットには、極端に重たいものはありません。数百グラムで悩むより、自分の頭に合うかどうかを第一優先にして選ぶようにしましょう。

 

初心者にオススメのヘルメット

わたしの愛用ヘルメットはBlack Diamond(ブラックダイヤモンド) ハーフドームです。

クライミングギアのトップブランドとしての信頼性は抜群。値段も手ごろで、オールラウンドに使えるので、初めてヘルメットを着用する入門用としては最適です。

ロッククライミング用、沢登り用と、目的別で揃える人には物足りないかもしれませんが、一般的な尾根歩きの安全対策として使用する場合は、帽子代りにかぶれる気軽さがいいと思います。

冬山の山岳スキーでもこのヘルメットを着用します。そのときは、薄手のフリース帽子をかぶった上にヘルメットを着用しますが、後ろにダイヤル式のサイズ調整機能が付いているのできちんとフィットしてくれます。

登山の装備は目立つ色を選ぶのが鉄則ですから、オレンジがおすすめです。

 

登山初心者のためにヘルメットの選び方とおすすめモデルを解説しました。もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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