子どもを登山に連れて行くときに便利な「簡易ハーネス」の作り方をご紹介します。
子どもは、脚力が弱くて視野も狭いなど、身体機能が未発達です。登山の間も、つまづいて転んだりバランスを崩したりすることがよくあります。
山では、登山道の脇がガケになっていたり、急な斜面の上り下りがあるのが当たり前ですから、万が一の安全対策は万全にしておきたいもの。
そんなときに役に立つのが「簡易ハーネス」。ひもの長さを変えると大人にも応用が利きます。覚えておくと便利ですよ。
子ども用「簡易ハーネス」の作り方
身長110㎝の幼児の場合、細引き(補助ロープ)をスリングにした100㎝~110cm程を2本を使います。
※輪のまま一直線に伸ばした長さです。円周ではありません。
登山用の「スリング」がベストですが「細引き」でも代用できます。細引きは登山専門店で1m単位で購入できます。
胸用のスリングを用意します
向かって右側を腕に通します
左側は脇の下を通します
重ねます
腕を通した方を上にして
下から上に通します
下の末端を上の輪の中に【下から上に】通します
胸の部分が完成しました
腰には胸用より若干長くしたスリングを使います
腰の後ろから
前に持ってきます
股下から手を入れ、腰の後ろにある2本のうち1本を前に出します
末端の3つの輪をカラビナに通します
胸側の末端もカラビナに通して完成
このように不測の事態に対応します
参考:クライミングに使う本格的なハーネスはこちらです
こんなときに使います
- やせ尾根を歩くとき
- 滑りやすいところを歩くとき
- 疲れていて足元がおぼつかないとき
- 雪渓を歩くとき
- 怖がって腰が引けているとき
- 強風にあおられそうなとき
注意事項
この簡易ハーネスは、体重もしくは体重以上の負荷がかかるクライミングや懸垂下降などに使用できません。
あくまで登山道を歩くときの補助的な使用にとどめてください。
ロープが絡んだり、思わぬ事故にならぬよう、細心の注意を払いましょう。
カラビナはクライミング用(登山用)を使用してください。キーホルダーなどに使うおもちゃカラビナは人を支える強度がありません。
【左】おもちゃカラビナ 【右】クライミング用カラビナ
クライミング用カラビナは22kN(2200kg)の強度があります。おもちゃカラビナはNOT FOR CLIMBINGと記載されています。
強度表記
スリングやカラビナは種類が豊富にあります。登山初心者やクライミングなどの知識がない方は、どれを選んでいいかさっぱりわからないかもしれません。
子ども用の簡易スリングにちょうど良い「スリング」と「カラビナ」をピックアップしました。参考にしてみてください。