出典:国土交通省「川の防災情報」XRAIN
2017年8月から、ほぼリアルタイムの雨量情報が得られるXRAINが、北海道「道南地域」の情報を新たに配信開始しました。
現在、本州のほぼ全域で配信しているものの、北海道はこれまで札幌を中心とした道央地域だけが対象エリアでした。
今回、新たに道南地域が加わってより便利になったので紹介したいと思います。
将来的には北海道全域がカバーされますから、スマホに登録しておくといいでしょう。
XRAINって何?
XRAINとは、eXtended RAdar Information Network(高性能レーダ雨量計ネットワーク)の略です。
気象庁かと思いきや、国土交通省の川の防災情報。
意外なところからの情報で、あまり知られていないようです。
このサービス、増加する集中豪雨や局地的な大雨に対する水害への対応から、急激な雨量変化も精度よく観測する必要性が生じて運用が開始されました。
資料によると、平成20年7月28日に兵庫県神戸市の都賀川で発生した局地豪雨では、10分間で1.3mの水位上昇があったと報告されています。
そのうち、2分以内で約1m程度の急激な水位上昇があったとされ、この増水で河川にいた5名が流され死亡しました。
1km範囲で5分ごとの降雨観測データを5~10分後に配信する既存のレーダでは、最近の雨の降り方に対応することが困難になったわけです。
ほぼリアルタイムで雨量がわかる
従来は、空間解像度が1km、配信間隔は5分、配信遅れは約10分だったのに対し、XRAINの空間解像度は250m、配信間隔は1分、配信遅れは1~2分。
ほぼリアルタイムな雨量情報が得られます。
特徴は
・雨が降っているエリアが地図上で分かりやすく確認できる
・過去最大6時間分の雨の状況を動画で再生できる(5分間隔/1時間分、30分/3時間、60分/6時間)
使い方は一般的なアプリと同じ。ダブルクリックで拡大できて、ドラッグで移動させることができます。初めてでも直感的に操作できます。
動画は雲の流れがよくわかります。「あ~こっち来そうだな」とか。
わたしは仕事で雨に降られると困る屋外作業をするときにスマホで確認したりと、日常的にお世話になっています。かなり助かってますね。
どの地域が見られるの?
出典:国土交通省「川の防災情報」XRAIN
2017年8月17日現在のカバーエリアです。
道央圏は、増毛町、雨竜町、滝川市、赤平市、芦別市、富良野市、南富良野町、平取町、鵡川町の一部までが範囲。
積丹町、神恵内村が対象から外れ、古平町、泊村が一部まで範囲に含まれています。
道南は全域をカバー。
まとめ
XRAINの情報は、登山やアウトドア活動では、短時間の集中豪雨に「思いがけず」遭遇したとき活かしたいですね。
例えば、雨だけでなく雷が鳴り出したので、雨雲の様子をチェックして今いる場所に留まるか判断材料に使う。
下山のタイミングを見計らうため、次の雨雲が来るまでの時間を予測するのに利用するといったことが考えられます。
さかのぼれる履歴は6時間分まで、ほぼリアルタイムの雨量ですから、割と切羽詰まった状況が多いかもしれません。
特に5分間隔1時間分の動画では、直感的に降雨範囲の移り変わりが分かり、直近の予測を立てるのに大いに役立ちます。
避難小屋で雨宿りしているようなシチュエーションでは、頼もしいツールとなるでしょう。
もちろん、山岳地帯ではスマホ電波が届かない可能性もありますから、万能ではありません。
天候の判断材料は、事前に天気予報をよく調べることに始まり、山の上では雲を見て観天望気するなど、判断材料となる知識はたくさん引き出しに入れておきたいもの。
あくまでも補足的なツールとして押さえておきましょう。
国土交通省川の防災情報XRAIN GIS版
PCはこちら
スマホはこちら